ロシア軍はウクライナから即時撤退を!

 2022年2月24日、ロシア軍はウクライナへの侵略を始めました。攻撃は軍事施設に留まらず、大学などの民間施設にも及んでおり、これまで双方の兵士と共に多くの民間人が亡くなっています。ロシア軍の行為は人権尊重と武力不行使の原則を定めた国連憲章違反であり、法の支配に対する重大な挑戦です。

 日本国内では一部政治家などが、国連や憲法9条が無力であるとし、核兵器の共有や憲法9条の改正を唱えています。しかし、そのような道は力による支配という野蛮な時代への逆戻りです。ロシアのウクライナ侵略は絶対に認めることはできませんが、今回の事態の背後には、NATO拡大などに見られる大国間の軍事的対抗関係があることにも配慮が必要です。また、ロシアのプーチン大統領が核による威嚇を行いながら侵攻を進めているように、核抑止力論の問題点が明らかになりました。日本に求められるのは、憲法9条を掲げ軍縮を中心とした積極的な平和外交を行うことにより、人類が営々と積み上げてきた戦争違法化の流れを強めていくことです。当然、核兵器禁止条約への参加も必要です。

 言葉で直接的に戦車を止めることはできませんが、戦争を正当化するのも言葉です。これは今回のウクライナの問題だけではなく、他の戦争や紛争にも当てはまります。ウクライナやロシアをはじめ、困難な状況の中、世界中の多くの人々が平和を求めて声をあげています。私たちは、そのようなお一人お一人に連なり、ロシア軍のウクライナからの即時撤退を求めます。それが、建学の精神「敬神愛人」に基づいて、謙虚に学び、他者を理解・尊重し、人類の平和と福祉を希求する世界市民の育成を担う我々本学教職員の使命であると考えるからです。

 

2022年3月7日

名古屋学院大学教職員有志

阿部太郎

飯島滋明

榎澤幸広

大石邦弘

神山美奈子

佐伯奈津子

佐竹眞明

土屋勝彦

中島誠

長谷川和美

宮坂清

柳川真太朗

 

(2022年3月9日午後5時半現在)